アートでこどもの才能を引き出す方法

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子どもが無邪気に描く絵は、大人には到底まねすることはできないでしょう。その理由がどこにあるのか、もちろん、まだ、ぎこちない手つきで書き上げる線や色の塗り方が、独特の魅力を出しているともいえるかもしれません。

しかし、それに加えて、子どもたちには、大人と比べると先入観というものの影響が、まだ少ないという点も挙げられるでしょう。子どもの発想力には大きな可能性が秘められているのです。それを十分に発揮させることができるか、そして、さらに伸ばすことができるかは、周りの大人たちが、その可能性に気が付いてあげられるか、という点にもかかってくるともいえます。

しかし、大人のなかには、美術というものは、勉強と比べると、それほど重要なものであると捉えていない人もいることでしょうから、せっかく、美術に関して、大きな可能性がある子供の場合でも、その才能を十分に開花させることなく、大人になってしまうというケースも少なくないようです。

そもそも、美術において、大切なのは、発想力であり、それらは、他の勉強や運動においても、大変重要なことに違いはありません。ですから、本来、美術であっても、勉強であっても、分けて考えるべきではないのかもしれません。美術は、学力や教養と関連するもので、絵を描いたり、自由な発想で工作をしたりすることは、学力の向上にも結び付きます。

たとえば、絵を描いたり工作をすることで養われた発想力は、国語で作文をするときや、算数で計算をするとき、図形の問題を頭の中で考えるとき、その他にもあらゆる場面で使われる能力です。

こういった子どもたちの発想力が、将来において、非常に価値のあるものだという認識を広め、芸術、文化の発展性や将来の為にICAFアート・オリンピアードという催しが開催されています。

ICAFアート・オリンピアードは、子供の芸術に関する、いわばオリンピックのようなもので、子どもの作り上げた作品を評価するだけではなく、その子どもの持っている可能性を、どんどん大きなものにしていくことができるような手助けをする存在ともなっています。ICAFアート・オリンピアードは4年に一度、アメリカで開催され、現代美術やアートを体験する機会ともなっています。

このような、大きな目標があると、子どもたちのモチベーションも大きなものになっていくかもしれません。自分が好きなお絵かきは、どんどん世界が広がっていくきっかけにもなるのだ、ということが、一人でも多くの子どもたちに伝わるのであれば、たとえば、運動があまり得意ではなく、自分に自信が持てなかったような子どもの場合であっても、その子の得意なお絵かきが、世界でも認められる、すばらしい才能のひとつであり、もっともっと、その可能性を広げていくことができるのだという自信につながっていくことでしょう。

また、幼い頃から、そういった世界を意識していくという経験を通して、世の中には、自分と異なった、さまざまなタイプの人間が存在していて、そして、それは当たり前なのだ、ということに気が付くことができるようになるに違いありません。普段の生活の中でも、他人と自分の違いを当たり前のものと認め、相手を尊重し、自分にも自信が持てるようになるかもしれません。

美術は、本来、そのような可能性を秘めているものといえるでしょう。ですから、もし、自分の子どもが、絵や工作に夢中になっているのなら、存分に熱中させてあげたいものですし、そこでうまれる発想力を、日記や作文、算数の計算のひらめきやアイディアといったものにつながっていくのだということを周りの大人たちが気づかせてあげることが大切といえるでしょう。

サンドアート会場を沸かせたMr.サンドマン

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地元のビーチで毎年行われる砂の祭典、サンドアートフェスティバルが行われています。サンドアートフェスティバルではサンドアートで芸術性を競い合うため、毎年超大作の砂の彫刻がいくつも見ることができます。砂の彫刻は雪と違い、型枠に砂と水を入れて圧力をかけて固めて砂の塊を作ります。そこから数日かけて彫刻していくため、とても大変です。そして、雨にとても弱いため、天候に泣かされることもたびたびあります。雪まつりなどでも雨が降ってしまうことはまれにありますが、暖冬でない限りその心配はありません。しかし、砂の場合は雨なんてしょっちゅうなため、せっかくいい作品だったのに雨で崩れてしまうことも珍しくありません。目の前で崩れてしまった時の悲鳴、製作者の悲しみは何度経験しても慣れません。

サンドアートにはアニメのキャラクターや、マンガの登場人物、ドラマの1シーンのものなどバラエティに富んだものが様々あるのですが、毎年、参加してる人の中にはミスターサンドマンと呼ばれている人がいます。

ミスターサンドマンは超大作のものを作りながら、装飾が大変細かく、細部にまでこだわっており、芸術作品としても高い評価を受けています。あまりの美しい砂のアート作品に、私自身涙を流してしまったことがあります。

今年の作品もまたミスターサンドマン渾身の作品でした。会場であるビーチに足を踏み入れた瞬間、真っ先にその作品が目に飛び込んできました。可愛らしい作品を数点通り過ぎ、目の前に大きく広がる五重の塔と思われる建築物のモニュメント、そして仏像。あまりの迫力に言葉が出ませんでした。会場を訪れたほとんどの人がこのサンドアートの前で立ち尽くし、モニュメントを見上げては驚きの声をあげています。近くにはミスターサンドマンもいました。多くの人が声をかけていましたが、その顔はとても誇らしげでした。

いよいよ審査結果の発表です。各賞の発表が行われていく中、いよいよ優勝の発表です。当然、優勝したのはミスターサンドマンでした。しかし、会場は段々と雲行きが怪しくなり、雨が降ってきました。雨脚も激しくなり、テントに避難すると、なんとミスターサンドマンが数日かけて作った砂の彫刻が徐々に壊れていきました。これには会場がどよめき、優勝したミスターサンドマンもさぞ驚いているかと思って目を向けると、ミスターサンドマンは笑っていました。これだけの超大作を作って雨で壊れていくのは悲しくないのかと私自身そう思ってました。

雨が止み、優勝したミスターサンドマンのスピーチが始まったのですが、それを聞いて私は先ほどの感想を恥じました。ミスターサンドマンは若い時から砂の彫刻を作り始め、もう何度も雨で泣いてきたそうです。最初は悔しかったり、涙を流したりしたそうですが、奥さんに、「私たちは自然に生かされているのだから自然の動きに一喜一憂したってしょうがない、これも運命なのよ。」と言われ、改心したそうです。今回も、きっと神様はこれでは満足しなかったからもっといい作品を作れという願いを込めて雨を降らせたんだろうと言っており、その前向きさに驚かされました。

会場には、ミスターサンドマンの奥さんも来ていましたが、表彰式の最中、奥さんが壇上に上げられました。なんと、この日が60歳の誕生日なのだとか。ミスターサンドマンは、還暦を迎え、砂で作ったケーキで奥さんを祝福していました。その砂で作ったケーキもまた本物そっくりで、奥さんの大好きなモンブランでした。自然の中で格闘し、自然に感謝しながらサンドアートに精を出すミスターサンドマンと、それを支える奥さんを見て、私は家族をもっと大事にしていこうと強く思いました。

会場を沸かせた還暦祝いのプレゼント | 還暦祝い

子どもたちの芸術性が開花するフェスティバル

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普通に生活をしていると、芸術とは理解しがたいものだと思っている大人が多いことに驚かされてしまいます。確かに芸術的だ、と言われてもよく分らない作品や、自分の好みに合う合わないがあることも感じていますが、ではなぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。

今の子どもや若い人には想像力が無い、と言われていますが、果たしてそれは本当なのでしょうか。

とある、子どもたちの芸術性が開花するフェスティバルに参加したときのことです。そこではフェスティバルの名に恥じない立派なイベントが開催されていました。直接、体験や鑑賞の機会を与えられた大勢の子どもたちは楽しげに、色々な芸術に触れることが出来る機会が得られれば、どこまでも輝けると確信することが出来ました。

思えば芸術で腹は膨らまない、だからこそ絵を描いたり物語を執筆することなど不必要なものなのだ、と言っていたのは、一体いつの時代だったでしょうか。とんだ時代錯誤ですが、今でもそういう言葉を平気で言う大人はいます。子どもには小さい頃から本物と言われるものをもっと多く見せるべきだ、と考えている人の少なさに驚きを隠せません。

小学校に芸に長けた人を呼び、その技を披露してもらう、劇団に来てもらい、体育館で舞台を見て感想を言い合い感受性を高めるような授業をする、そういった昔は当たり前の風景は今はあまり見かけることも少なくなって来ました。

視聴覚室ではテレビで見たことのあるような映画のDVDを見せられ、道徳や話し合いの時間は削られ勉強の時間だけが増えていく。ごく一部の人に配慮しないといけないので、という理由で学校では教えられないことも多くなってきました。ネットばかりやっていてはダメ、と言いながらも減らされた道徳的な授業の代わりに小学校からパソコンの授業はしっかりとあります。

そういう事に慣れてしまった子どもたちに、大人は言います。感受性が乏しくなった、想像力が無くなったと。しかしこれは間違いです。機会さえあれば子どもたちは喜んで吸収して成長の糧とします。

芸術に触れる機会がこの祭典にはありました。アートへの興味、鑑賞や体験の機会を得られることは、例えこの先、進学校へ進んで勉強ばかりの生活になってしまったとしても、芸術への素地があれば才能はどこかで必ず芽を出します。大人になり、仕事をがんばり、家庭を持ち、定年退職後には、また人間に必要な芸術のある世界に帰ってきます。自分には趣味が無いから老後が不安だ、という人の嘆きを耳にします。そういう人は、若い頃は仕事しかしてこず、遊ぶ体験も芸術的な目を養うことも怠っていることが多いです。

仕事が趣味、という言葉が当たり前の時代がありました。疲弊してしまい、うつ病など精神疾患にな悩む人も少なくありません。ひどい時には過労死という結末が待っています。本人は一生懸命に仕事人に徹した結果が過労死などとは思ってもいなかったことでしょうが、現実にあることなのです。

これから先は少子高齢化の社会が今以上に深刻な問題として待っています。今の時代よりも、もっと子どもが大切にされなければなりませんが、社会が子どもをダメにしてしまう懸念はいつでも存在しています。子どもたちの芸術性が開花するフェスティバルは、もっと全国的に展開させていかなければなりません。そして、このような催しが開催されているなら、自分の子どもの為に一緒に参加してみてください。保護者の人と子どもたちが芸術を理解する心を養えば、他者を理解しようとする力も養えることになります。少しの行き違いでの悲しい事件の多くは、他者への理解しようとする力が足りないことからも生まれてしまう懸念を孕んでいます。

芸術は心の栄養です。このような団体や祭典は子どもの柔軟な発想も育てる良い機会になります。きっと、機会を得た子どもたちの感性と創造性に驚き、その成長に喜びを感じることでしょう。

多くの芸術家を排出する小学校の秘密

小さい頃からさまざまな芸術活動をさせることはとても大切です。

例えば子どもの習い事の代表的なものにピアノがあげられますが、3歳ぐらいからピアノを習い始めると絶対音感が身につき、大きくなっても音の高さを聞き分けることができる聴力を養うことができると言われています。

これはアートでも同じことが言えるでしょう。子どもたちは幼少期の頃から絵を描くことが大好きです。紙いっぱいに絵を描き、時にははみ出してしまうほどダイナミックな絵を描きます。壁や床に絵を描きたがるのは、子ども本来がもっている本能や本性によるもので当たり前のことでもあります。

しかし、その芽を摘んでしまうのは誰でしょう。そうです、身の回りにいる大人たちです。壁や床に絵を描こうものならどうでしょう。大慌てで子どもからクレヨンなどをとりあげ、「ここに描いたらだめよ。」と注意する人がほとんどです。部屋を汚されたらたまらないので、たいていの大人は止めに入るでしょう。しかしその汚された壁や床こそが、子どもにとってのアートであり、芸術家へ進む第一歩になっているかもしれないのです。

そこから子どもたちは小さな紙の決められたスペースで絵を描くことを覚えます。しかしそこには子ども本来のアートの楽しみは完全に失われてしまっているのです。芸術家を育てるためには、幼少期の体験や経験が大きくその後に役立ってきます。

日本にも多くの芸術家を輩出する小学校があります。こどもたちにアートへの関心や興味を持ってほしく、芸術性を高めるイベント等を開催したり、子どもたちがアートに触れる体験をさせたりしています。アートは特にこれといった決まりがありません。その人本人が「すばらしい。」と魅力を感じ作り上げたものであれば、それはすべてアートとなり得るのです。

芸術家になるためには発想が大事です。ほかの誰もが思いつかないような発想こそ、芸術家の道へ進む第一歩といってもいいでしょう。大人になってからでは固定概念にこだわりすぎて、今あるものがすべてであると思い込んでしまうふしがあります。それは誰でもそうであって、決して新たな冒険をしようとはしません。しかし子どものうちからその感性を養っておけば、自然と発想が生まれ、創造力豊かな子どもに育ちます。その創造力こそ芸術家にとってなくてはならないものであり、必要なことでもあるのです。このことから、どれだけ幼少期から芸術に親しむことが大切なことかわかるでしょう。例え芸術家の道に進まなかったとしても、これから生きていく人生の中で、子どものうちに育まれた創造性は、きっと社会に出てからも役立つことが多いに違いありません。ですから芸術家を多く輩出する小学校の子どもたちは、ほかの小学校の子どもたちに比べても、表現力や創造力に優れていると言っても過言ではありません。ですからその小学校で学ばせたいと願う親も多く、学校に通う子どもたちも活気に満ちあふれているのです。

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    子どもたちにアートに触れる体験を提供したり、芸術に触れて感受性を高めるイベント等を開催している日系スロバキア人です。東欧から遥々来日し、サンドアートの祭典や子どもたちの工作教室を開催しています。
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